第32回「日本アニメ(ーター)見本市-同トレス-」で櫻木優平監督らが「新世紀いんぱくつ。」を解説!

9月21日(月)、「日本アニメ(ーター)見本市-同トレス-」の第32回放送を実施しました。番組では、第32弾作品である「新世紀いんぱくつ。」の監督を務めた櫻木優平氏と、リードアニメーターを務めた川崎司氏、美術を担当された渡邊洋一氏、主題歌の作詞・作曲を担当されたbuzzG氏をゲストに迎え、「新世紀いんぱくつ。」の制作秘話に関して語り合っていただきました。

<出演者プロフィール>

■脚本・監督:櫻木優平
 熊本県出身。実写映像・グラフィックデザインを学んだ後、フリーランスとして活動を始める。
 参加作品:『花とアリス殺人事件』『もうひとつの未来を。』(CGディレクター)/
      『009 RE:CYBORG』『ブラック★ロックシューター[TV]』(モデリングとアニメーションを担当)

■リードアニメーター:川崎司
 アニメ、ゲーム関係のCG制作や、プログラミングによるコンテンツ制作などを行う株式会社ラッキーピクチャーズに所属。
 『花とアリス殺人事件』ではCGアニメーターとして参加した。

■美術:渡邊洋一
 ヴェイサエンターテイメント株式会社代表。
 会社業務内容はアニメーション美術の他に、ドームシアターシステム開発、データ可視化用
 ソフトウェア開発などを行っている。最近の主な仕事に、スタジオジブリ宮崎駿監督短編作品
 『水グモもんもん』美術監督、細田守監督作品『バケモノの子』背景担当等がある。

■音楽:buzzG
 本作主題歌「センチメンタルな予感」の作曲・編曲を担当。2009年からDTMを始め、同年8月頃から動画サイトへ
 VOCALOIDを使用した楽曲を発表し始める。2011年3月にビクターエンタテイメントより「Symphony」でメジャーリリース。
 その後、2ndアルバム「祭囃子」、3rdアルバム「Ghost Trail Reveries」、4thアルバム「Drama」をリリース。
 その他、様々なアーティストやコンピレーションに楽曲提供を行っている。

<制作秘話レポート>

【新世紀いんぱくつ。について】
 本作が監督としてのデビュー作となる櫻木監督。企画を出したのは今年3月頃のことで、同じ物語背景を持ついくつかの案を提出し、その中から本作が選ばれたのだそうです。特に監督が大切にしたのは「リアリティ」で、生活感などを出すことを意識したと言います。

櫻木監督にとって気心の知れたスタッフが集まったおかげで通常のワークフローとは異なり、ビデオ絵コンテから制作をスタートすることができたとのこと。

 櫻木監督が制作したビデオ絵コンテの第一印象について川崎氏は「女子力高いなと思いました(笑)」とコメントしました。

 番組では、実際にビデオ絵コンテを流しながら制作の裏側についてトークを行いました。

たとえば冒頭のシーンでは3人のキャラクターが動画配信をしているシーンがあり、画面上にコメントが流れるなど、ニコニコ生放送を思わせる演出が特徴的です。この演出についてはビデオ絵コンテの段階ですでに入っており、監督が思い描く世界観が早いうちに完成していたことがわかります。

 ここで番組では音楽を担当されたbuzzG氏が登場。実は監督とは以前から懇意にしているということで、本作の制作に参加されたのだとか。楽曲制作のポイントについてbuzzG氏は、「現実の中学生が考えつきそうなメロディーや内容を意識して、ちょっと打ち込みっぽくしたりしました」とコメント。歌詞は櫻木監督自らが担当されたとのことで、やはり中学生らしさを意識しつつ作り上げていったとのことです。

【氷川の二度見】
 アニメ評論家の氷川氏が注目ポイントを紹介する「氷川の二度見」のコーナー。
今回のテーマは「カメラを通した気持ち」。

 氷川氏は本作が持つ"喪失感"に着目。

「普通、アニメは存在感を作る芸術なのに、この作品は逆に喪失感があるんです。7分しかないアニメなのに、なぜこんなに喪失感があるのでしょうか」(氷川氏)

 その理由として氷川氏が挙げるのは「カメラの視点」。たとえば神社のシーンでは主観視点を多用しており、そこにあえて微妙な手ブレを入れることで、頭の揺れと気持ちの揺れを表現しているのだとか。現在の視点が誰の気持ちなのかを表現することで、感情移入が調整されているのだと説明しました。

【クリエイターの法則】
 番組の最後には出演者に向けて「あなたにとってアニメとは?」という質問が。

 buzzG氏は「青春」と回答。
「中高生のときこっそりアニメを見ていて、周りはあまり見ていなくて奥ゆかしい青春でした(笑)」(buzzG氏)

 渡邊氏は「夕方の思い出」と回答。
「子どもの頃、夕方からアニメをやっていて、それが思い出です」(渡邊氏)

 川崎氏は「先輩」と回答。
「自分にとって先輩のようなもの」(川崎氏)

 櫻木監督は「多目的ツール」と回答。
「仕事でもあり名刺でもあり色々な使い方をしているので」(櫻木監督)


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